海上の宮殿

『海上の宮殿』(英題:”A Palace on the Sea”)台湾、15分、2014、ドラマ。監督:ミディ Z。日本初公開(あいちトリエンナーレとほぼ同時)!  船が港に停泊している。ミャンマーから台湾に働きに来た女性の霊が、故郷を求めてさまよっている。一度は逃げおうせたかに見えた彼女は、やはりまた、前世の思い出に囚われてさまよう。 仏教の読経が聞こえる。前世での恋人は今世では僧侶となり、彼女や他の故郷を求めてさまよう霊を鎮める。シュールで、キッチュで、とても不思議な映画。 [Read more...]

クリオソット

『クリオソット』(原題:Creosote) アメリカ、3分、2015、クレイメーション。監督:クリス・シコルズ。 不思議な生き物たちがいたって普通の日常を生きる。このクレイのアートワーク、一見の価値あり。レッドノーズスタジオのクリス・シコルズに今後も注目したい。

肖像画/いきうつし

『肖像画/いきうつし』(原題:A Portrait) ギリシャ、2’13”、2014、アニメーション。監督:アリストテリス・マラコス。 白い背景に一本の黒い線画だけで自分の亡きお祖父さんのことを描く。 シンプルで深い。 アーティスト:アリストテリス・マラコス

あの家

『あの家』(The House) ドイツ、6’48”、2011、2D&3Dアニメーション。監督:デイビッド・ブオブ。 おばあさんが生きていた頃の記憶、生と死をさまよう彼女とその面倒を見る孫娘の日常を抽象的にファンタジックに描いた作品。     アーティスト:デイビッド・ブオブ

ビン・バン・ブーン:モレノ姉妹のプロレス人生

『ビン・バン・ブーン:モレノ姉妹のプロレス人生』(英題:Bim Bam Boom, Las Luchas Morenas!)メキシコ、デンマーク、アメリカ、13分、2014、実験ドキュメンタリー。監督:マリー・ロオジエ。 90年代に日本プロレス界で大活躍したメキシコ片田舎出身のモレナ3姉妹を、奇妙で心温まるポートレイト映画で知られるフランス出身のニューヨークの監督マリー・ロオジエが独創的に描いた作品。日本で大人気だったシンティア・モレノとその姉2人。今でもメキシコのプロレス界トリプレア(AAA)で活躍、ルチャドーラ精神で貧困と戦いながら、肩寄せ合って生きている。Bベルリン国際映画祭テディ賞受賞作品。このユニークな監督のポートレート映画はロッテルダム、トライベッカなど映画祭の他、テートモダン、NY近代美術館、 [Read more...]

間(あいだ)の場所

『間(あいだ)の場所』(原題:A Place in the Middle )ハワイ、24分、2011、ドキュメンタリー。監督:ディーン・ヘイマー&ジョー・ウィルソン 。日本初公開! ハワイ先住民の文化では、男と女の性別は二元的ではなく、誰もがどちらの面を持っているとして捉えられており、二つの強い性を持ち備える人は村で尊重されていた。アメリカに植民地化され、先住民の宗教や文化が暴力的に消されていく中で、この伝統も抑圧された。このドキュメンタリーでは、ハワイの先住民が多く暮らす地域の学校で教える先住民でトランスジェンダーの先生の指導のもと、12歳で両性の資質を備える女の子が男の子のフラダンスチームのリーダーとなり、自分たちの伝統文化への気持ちを大切にしながら発表会を迎えるまでの軌跡を描く。 [Read more...]

河の母

『河の母』(原題:Mother of River)アメリカ、28分、1995、ドラマ。監督:ゼイナブ・アイリス・デイビス。日本初公開! 80年台から90年台にかけて、アメリカとイギリスで同時にブラックシネマが台頭した。80年台に満を持して始まったマイノリティによる映画制作の潮流の一つである。ニューヨークではNYU出身のミドルクラス監督のスパイク・リー、そしてロサンジェルスではもっと貧しい階層出身のUCLAの映画科出身の監督たちが活躍した。スパイク・リーが頑なに現代の黒人社会を描いた一方で、LAレベリオンと呼ばれる彼ら一派は、 [Read more...]