主催者からの言葉(UPAF2011ポスターより):
「ただの映画祭じゃない。世界の映画制作者仲間たちが創った、人生を変えるようなパワフルな映画をみんなと共有したい。日本ががんばってる今年、テーマは核とわたしたち、若者、まち、映画の力、流れるのは生きる・創る・映画のこころ。」
今年は悲しい震災の年でした。当初、今年のミニテーマは「まち」と「映画の力」でしたが、UPAFでは、震災後日本の誰もが持っている疑念や恐れを皆で話し合う場を作りたいと考え、「核とわたしたち」をミニテーマに加えました。震災の影響を加味した招聘映画はフィンランドの核廃棄物処理施設を扱った『100,000年後の安全』、広島・長崎の被爆体験を持たない世代がどう被爆の経験を引き継いで行くかを問う『ヒバクシャとボクの旅』、震災後間もなく他界した田中好子の初主演映画として再注目された『黒い雨』。『100,000年後の安全』の上映後にはこの作品を配給している渋谷アップリンク社長の浅井隆氏をゲストに迎え、震災と放射能について、来場者の皆さんとじっくり話し合う場にしたいと考えています。
そのほかには、ブラジルの刑務所で生まれたラップデュオの二人を追ったドキュメンタリー、中国南部への労働移民と家族離散をテーマにしたドキュドラマ(どちらも女性監督作品)、カナダの黒人監督が贈るグルーヴィーで切ない家族ドラマ、自分が経験した家庭内性暴力を乗り越えるためカメラを武器に正面から問題にぶつかった力強いセルフドキュメンタリー、世界のティーン監督が作った作品集(無料!)など、見どころたくさん。また震災の暗い影の中で見いだしてほしい希望として、地元の子供達のために1950年代フランスの名作『赤い風船』『白い馬』を上映します。字幕の読めない小さな子供達のために、ボランティアの役者さんによる生吹き替え上映です。