今年から始まる宇野港芸術映画座。何が起こるか、お楽しみ〜。とりあえず、どうして始めたかというと、私たちはニューヨークに20年も住み、生活に四苦八苦しながら自主制作で映画を作っており、作るのはもちろん大変ですが、見せるのはもっと大変。他の国にいい映画が届くようになるには、映画祭で賞を取り、海外の配給会社の目に止まり、劇場公開するのかDVDマーケットへ行くのか主に利益面から検討され多くの人を巻き込んだ上で決定され、それから翻訳・字幕製作が始まって、やっと日本の皆さんに数少ない作品が届けられます。それも、東京や京都など大都市だけで公開ということも多々あります。私たちが知っている中だけでも、とてもいい作品で世界の映画祭で評価も高いのに、日本では配給はおろか一度も上映されない作品もたくさんあります。そこで、だったら映画館のない宇野に、自分たちがアクセスのある作品の中で、日本で入手不可能または困難なものを選りすぐり、自分たちで翻訳字幕もつけて皆さんにお届けしてしまおうと。街のためにも、世界中のインディ映画制作者にもいいのではないか、と思うわけです。普通の映画祭ではないけれど、制作者が制作者のためにやる映画祭、またそれをあえて大都市ではなくたまたま縁の深い日本の地方都市で開催することで、世の中のいろいろな中心を介さずに、周縁の人同士で繋がれるではないか、と思って、UPAFを始めるわけです。