サウンドマンの死

(この作品は、岡山会場のみで上映。)映画の中の音を観客が気にも留めないように、いつも無視される人民がいる。2人の録音技術者がある短編映画プロジェクトの音デザインの仕上げをしている。彼らの作る音は、誰かの耳に届くのだろうか。ヴェニス映画祭で世界プレミア上映の後、ロッテルダム国際映画祭、釜山国際映画祭などで上映、バリャドリッド国際映画祭(スペイン)ミーティングポイント部門で奨励賞受賞。 監督:ソラヨス・プラパペン。2017年、16分、HDカラー、タイ。ドラマ。音声:タイ語、字幕:英語&日本語。日本初上映! 上映日/時間 岡山:8月3日(金) 14:00~ / 8月5日(日)19:00~ (短編特集) [Read more...]

EGO

(この作品は東京会場のみの上映。) 「自我」(エゴ)には全ての欲望と恐れが顕れるとされます。この映画は、一人の男と女の関係を描いています。でも実はそれは幻影で、想像で、夢のように心に顕れるものです。人間はエゴでできているので、何も真実なものはありません。 カザフスタンの才能あふれる新進女流映像作家のシュールな映画の世界。日本初上映! 監督:シャリパ・ウラズバイェヴァ、2014年、14分、HD720 カラー、カザフスタン。ドラマ。会話なし。 上映日時 東京: 7月29日(日)12:30~ (短編特集) シャリパ・ウラズバイェヴァ 1985年生まれ。カザック国立芸術大学(the Kazakh National Academy of Arts)の映画/テレビ制作学部を T.Zhurgenova の名誉を得て卒業 (2010)。2013年にはZhurgenov [Read more...]

優雅なインドの国々

『優雅なインドの国々』(原題:Les Indes Galantes /The amorous indies)は「フランス王室作曲家」として公族貴族に好まれたフィリップ・ラモーが1735年に作曲したオペラーバレエ。ここの「インド」はヨーロッパ以外の異国の民、異教徒、原住民の意。彼が1725年にパリで見た米国イリノイ州のミチガメア(Michigamea)族の酋長による民族ダンスに刺激されて作った曲で、それをもとに第4部『未開人たち Les [Read more...]

キンキジュの種

メキシコのある刑務所で暮らす女性囚人たちは、色々な地域から集められており、80%近くが文盲。多くが貧しい先住民コミュニティ出身で話す言語が違うため、刑務所内で意思の疎通ができない。刑務所内の社会復帰プログラムで共通語であるスペイン語の読み書きを初めて習った女性たちは、出獄後も手紙の交換を続けたり、詩を書いている。刑務所に来て初めて文字を習い、それを使って自分が社会からはじき出された過去の記憶や自分の気持ちを言葉で表現できるようになった女性たち。彼らの友情や連帯を描いた作品。 監督、撮影、編集、音声:カロリーナ・コラル・パレデス(Carolina Corral Paredes)。2016年、17分、HD カラー、メキシコ。ドキュメンタリー。音声:スペイン語、字幕:英語&日本語、日本初上映。 上映日/時間 東京:7月29日(日) 12:30~ (短編特集) 岡山:8月3日(金) [Read more...]

ハンスー・ソロ

ハンスー・シイララは2006年に2回の大きな脳卒中を経験、左半身不随に。現在彼女は、カナダのバンクーバーの介護施設で暮らしている。ハンスーとの電話の会話と抽象的なアニメーション映像を掛け合わせた本作品『ハンスー・ソロ』は、ハンスーの施設での日常と彼女が時間を過ごす上で思っていることを描いた親密なポートレイト。 違う分野で働く2人のクリエイターが、それぞれのこだわり技術と誰でもが考える大きな疑問を掛け合わせたのがこの作品。エミリーの伝統的アニメーション技法と、カヤの編集とサウンドデザイン技術を合わせて、カヤと彼女のおばさんであるハンスーが話す電話の会話に視覚的要素で反応してみた。ハンスー独特の言葉の抑揚リズムに合わせるように、映像は現実と抽象の間を行き来する。ハンスーのユーモアと思慮深い知性が映し出され、また彼女の生きることへの好奇心に感染しそうになる。 [Read more...]

インディペンデンシア

『インディペンデンシア』(原題:Independencia)フィリピン/フランス、74分、2009。 監督:ラヤ・マーティン。日本初公開! 20世紀初頭のフィリピン。大砲の音とともにアメリカ人がやってくる。母と息子は静かな生活を選び、山へ逃げる。ある日息子は森の中で気を失っている若い娘を見つけ、小屋に連れ帰る。月日が経ち、国中の混乱を逃れて、息子、 若い娘、また今では小さな男の子が森で暮らしている。でもある日、嵐が、そしてついにアメリカ兵が森に近づく。少年は究極の選択を迫られる。 [Read more...]

ファウヌスになれ

『ファウヌスになれ』(原題:Enter the Faun )アメリカ 68分、2015。ドキュメンタリー。監督:タマラ・ロゴフ&デイジー・ライト 。日本初公開! ベテラン振付け師と脳性麻痺の若い役者というミスマッチなコラボが奇跡を呼んだ。誰でも、思いもよらない方法で自分を変えられる。タマラ・ロゴフがグレッ グ・モズガラをダンサーとしてコーチしていくうち、彼女が医学を正式に学んでいないことや彼の怖れや身体的不自由さが、障害ではなく新たな発見の鍵になっていく。『ファウヌスになれ』は、彼らがニューヨークの伝説のアングラ・オフオフブロードウェイ劇場「ラ・ママ実験劇場」での開演を迎えるまでの、 [Read more...]

ご主人とディヴィノ

『ご主人とディヴィノ』ブラジル 85分、2013、ドキュメンタリー。監督:ティアゴ・カンポス・トレス。日本初公開! ブラジル中西部マットグロッソ州の先住民村サングラデューロに1957年にやってきたエキセントリックなドイツ人宣教師アダルベルト・ハイデと、地域の先住民族シャバンテ族のディヴィノ・ツェレワフは、ともにフィルムメーカー。シャバンテ語を流暢に話すハイデは1957年以来、8ミリ映画とビデオで先住民の生活を記録してきた。時代は変わり、若いディヴィノは先住民の視点から村の行事や生活を記録し、テレビや映画祭に出品している。遠くの町のNPOからシャバンテ族にビデオ編集を教えにやってきた経験を持つブラジル人監督ティアゴ・カンポス・トレスが、この違う使命を持った二人のフィルムメーカーのニュアンスに満ちた師弟関係や [Read more...]

アラロミレ: 呪いの女神像

『アラロミレ:呪いの女神像』(原題: The Figurine: Araromire ) ナイジェリア 120分、2009、ドラマ。監督:クンレ・アフォラヤン。西日本初公開! ナイジェリアでは1990年代以来映画が大発展し、ナリウッドと呼ばれる巨大雇用創出産業に育っていることを皆さんはご存知だろうか。『フィギュリン』はその中でも、ナイジェリア人が「ナリウッドはここまで来た。これなら世界で勝負できる作品だ」と評価した最初の作品で、伝説的な位置を占める。確かに、すごい。サイコ・スリラーのジャンルだが、ナイジェリア(ヨルバ族)の口頭伝承や伝説を上手に取り込み、ストーリー展開が最後の最後まで驚きに満ち、非常に質の高い作品。停電は日常茶飯事、 [Read more...]

悪夢の香

『悪夢の香』 (原題:Mababangong Bangungot 英題:Perfumed Nightmare) フィリピン、95分、1977、ドキュドラマ。監督:キッドラット・タヒミック。中国地方初公開。21日の回、監督来場&ゲストトーク! フィリピンのインディペンデント映画の父と呼ばれるキッドラットの作品は、独立心と遊び心に満ちている。彼の鮮烈なデビュー作品『悪夢の香』では、監督が自演するアメリカ大好きのジープニー(リサイクル鉄屑から作られたカラフルなフィリピンのタクシー)運転手キッドラットが、村を訪れていたアメリカ人のチューインガムビジネスを手伝うため、ジープニー持参でパリに引っ越し、いざアメリカに進出するまでを描いたドキュメンタリー・フィクション・ハイブリッド作品。 [Read more...]