『ブラスランド』世界に先がけ発表直前スニーク・プリヴュー!

製作:ミーアキャット・メディア・コレクティブ、USA、2012、ドキュメンタリー。ファインカット・バージョン、スニークプレビュー(映画祭/劇場公開先行の世界初スニーク・プリヴュー!

8/12 (sun) 16:00~ 産業振興ビル3F

8/14 (tue) 22:00~ 野外トレーラー・シアター

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エキセントリックなニューヨークのバンド、バルカンの小村、そして50万人のファンが世界最大のトランペット・フェスティバルに集うとき、バルカン音楽の切ない音色が国境を葬り去る。

シノプシス:

世界最大のトランペット・コンペが開かれるセルビア共和国グチャ。そのバルカンの小村は 毎年夏の数日間だけ、50万人のファンとブラス楽器の揃わない音で熱狂にあふれ返るクレイジーな空間と化す。2010年、フェスティバル50周年の年、 ある風変わりなアメリカのブランスバンドが、彼らが取り憑かれた音楽の源泉であるこのコンペに参加する決意をする。アメリカ率いるナトー軍がセルビアの首都ベオグラードを空爆してからまだ10年にもならない年のことだ。

グチャの人々は、過去最大となるであろうその祭典を迎える準備を、愛国心と張りつめた緊張の入り交じった表情で進める。そこの老人達は難しい時代を生き延びて来た。世界大戦、社会主義体制、国家の解体、そして民族浄化…それらの記憶をこの祭典で洗い流しながら、新しい国民アイデンティティが築かれて行く。中年の起業家たちは年々大きくなるこのコンペで一稼ぎしようとねらっている。少年少女たちはこの国の伝統的音楽を世界の最も優れたトランペッター奏者たちが吹くのを見る。ある者は自分もそのステージに上がりたいと望み、ある者はヘッドフォンをかけて、メタリカやレイディー・ガガの方がいいと思う 。

『ブラスランド』はある文化が異文化を取り込み自分のものとし、そしてそのもとの文化と対面する瞬間を捕らえる。戦争の傷跡深いこの地域で、まったく異な民たちを結ぶバルカン音楽—その歓喜に満ちた激しい並外れた音楽を耳にし、何かを感じない者はいない。

今後世界で注目を集めるだろうとUPAFが予想するこの作品の切たてファインカットを、世界に先駆け初公開!人生のドラマあり、世界情勢あり、音楽ありの奥が深〜い作品。

ニューヨークの12人の共同監督がアイデアや機材を共有し、共同体として「コンセンサス=同意」制に基づいて制作を進行するというユニークなフィルムメーカー・コミュニティ、ミーアキャットの最新作。彼らについてもっと知りたければ短編プログラム1の『コンセンサス』をお見逃しなく。

ミーアキャット・メディア・コレクティブについて

斬新で考えさせられる作品を作ることを目指して集まったフォルムメーカーの自治コミュニティ。2005年の創設以来、短編20本以上、長編2本を製作・配給。長編処女作ドキュメンタリー『ステージ』はHBOニューヨーク国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞と監督賞を受賞している。

ミーアキャットはアフリカ南部のサバンナで、群れを作って地下の穴にすむマングース科の小動物。共同体として助け合って生きる彼らのように、僕らも日々の制作作業から芸術的な決定までを共同監督としてコンセンサス(同意)制によって進めている。ヒエラルキーはない。生活協同組合と同じように、メンバーには、クリエイティブまたは事務的な仕事を共同体に対して奉仕した分だけ、物質的あるいは非物質的な援助が共同体から与えられる。ヘルシーで皆の意見が尊重されるプロセスは優れた作品を創るのと同じくらい大切だという信念に基づいて、私たちは技術や機材やアイデアを共有している。

本作品上映にあたり作品を提供してくださったミーアキャット・メディア・コレクティブの監督たち、特にジェイ・アーサー・ストレンベルグ監督に、こ の場を借りて心より御礼申し上げます。