島の兵隊

ミクロネシアは第1次大戦前はドイツ領で、その後勝戦国だった日本の手に渡り、日本人が多く移住した。しかし、第2次大戦では日米の戦場となり、後に日本からアメリカの手に渡った。そして、1982年にようやく独立国となるが、その時締結された自由連合盟約というアメリカとの防衛協定のためにミクロネシア人がアメリカ軍に従事でき、入隊率がアメリカ自国のそれをはるかに上回ることを知る人は世界にも多くない。監督のネイサンはアメリカ人であるが、10年以上前にピースボートのボランティアとしてコスラエ島に行っている時にその事実を知り、衝撃を受け、言語を学び数年そこに住み、以来ずっとコスラエ島とその住人たちを撮り続けた。 [Read more...]

恋とボルバキア

セルフドキュメンタリー『アヒルの子』(UPAF2011で上映)で衝撃デビューした小野さやか監督(かの原一男監督の愛弟子)が、インターセックス、トランスジェンダー、レズビアン、女装者として日本で生き、恋する8人のセクシャルマイノリティたちの日常とそれぞれの思いを、センシティブな距離感を持って丁寧に優しく取材したドキュメンタリー作品。曖昧で混沌とした性や恋、人によってさまざまな夢、幸せのかたち、生きづらさなどを描き出しながら、「他者」に寄り添いつつ、オンナとして日本で生きることを問う。タイトルの「ボルバキア」は宿主を性転換させる共生バクテリアの一種。プロデュースは佐村河内守を追った森達也監督の「FAKE」、坂本龍一を追った「Ryuichi Sakamoto: CODA」などを手がけた橋本佳子。 [Read more...]