『鳥はどこを飛ぶ(仮題)』 監督:フィダ・キシュタ、パレスチナ自治区、58分、2013、カラー、ドキュメンタリー、日本初公開。15歳以下のお子さんにはお薦めしません。
イスラエル軍のブルドーザーに家を潰され、永遠に終わらない戦火のガザ地区で育ったフィダは、やがてビデオカメラを武器として手にとり、ガザ地区初のパレ スチナ人女性ビデオジャーナリストになった。この映画は、フィダが長年にわたって撮りためた、西側先進国のニュースでは決して伝えられない映像を、一つの作品に仕上げた貴重な記録映画。
パレスチナ人と言えばまるで全員が兵士のような印象を受けるが、作品に出てくるのは皆、農民や漁民など、普通のパレスチナ人。でも彼らの暮らしは普通とはほど遠い。全く罪のない人々が何十年にも渡り囚人のような生活を強いられているのを、世界は見て見ぬ振りをしてきた。なぜ?この、時に衝撃的な映像を直視する責任は誰にあるのだろうか。何人もの家族を一度に目の前で殺された少女モナに、フィダは自分の過去とパレスチナの将来を重ねる。モナの心の傷は癒えるのだろうか。この作品で、希望を描きたかったとフィダは言う。そのかすかな希望を、遠い日本の私達は、読み取ることができるだろうか。本当に、日本は遠いのだろうか。日本初公開、スカイプトークも多分あり。絶対にお見逃しなく!