『ぼくのまち』『蟻』 by 中村智道

岡山県赤磐市で活動中のアニメーション作家、中村智道さん。世界の映画祭でブレイク中の作品達

中村智道 1972年岡山市に生まれる。赤磐市在住。
2003年に岡山映画祭のワークショップで簡単な映像編集を学び、映像作品の制作に取り掛かる。その後、すべての工程を独学で学ぶ。
2005年より初のアニメーション作品、「ぼくのまち」の制作を開始。
イメージフォーラム・フェスティバル2007 奨励賞
バンクーバー国際映画祭2007 Apocalyptic (and other) Anime 正式招待 (カナダ)
カルガリー国際映画祭2008 国際選抜プログラム An Animator’s World Shorts 正式招待 (カナダ)
第55回オーバーハウゼン国際短編映画祭 インターナショナルコンペティション部門ノミネート (ドイツ)
他、国内外多数

ぼくのまち

2007年/カラー/17分/ヴィデオ作品
2004年から原画制作を開始、2005年にパソコンを購入し、すべての過程、技術を独学で習得、2年の歳月をかけて完成させた。その後、日本最大の実験系映画祭「イメージフォーラム・フェスティバル」にて受賞。バンクーバー、カルガリー他世界各地で紹介される。
自然界で普通にあること、庭にでも見られる生と死の循環、生き物たちの営み、社会・・すべてのものは生まれては死や消滅を繰り返し、それを糧にまた生まれ・・
よく考えてみると、当たり前の物事、私にとって最大の謎でもあるこの問題を人型の「もの」によって表現した作品。

2008年/カラー/11分/ヴィデオ作品
「ぼくのまち」であえて使わなかった要素を軸に制作。自分では、どうにもならない巨大な力がテーマ。
本作品は、2009年、日本人としては唯一、短編映画祭としては世界最古の伝統をもち実験映像界の最高峰と言われるオーバーハウゼン国際短編映画祭、インターナショナルコンペティション部門にノミネートされ、ポンピドゥーセンター、ソフィア王妃芸術

センター等世界各地の美術館でも発表されている。
得体の知れない大きな力と、その中で生きるものを独自の表現で表した作品。
それぞれのシンボリックなものは精神の状態、もしくは言語化できない不可解な状況を表している。
蟻、人、自然を取り巻く視点は、自らも他者に対する支配欲に支配され、そして、他者、そして外的な力からも支配されたがっている人間の不可解な心理とそれとは無関係に動く大きな力の連鎖を表現する。