主人公、雨宮処凛は、伊藤秀人らと共に、民族派パンクバンド「維新赤誠塾」で「 天皇陛下万歳!」を叫ぶ。彼女が<依存>するのは天皇。自分が存在価値を見出せな かったこの社会を変えられるのは民族派右翼の思想だと、信じていた。 一方、監督の土屋豊は、この空虚な日常の原因は天皇制だと考えていた。相反する 考えの中で社会に対する閉塞感という共通性を見つけた土屋は、雨宮にビデオカメラ を手渡し、自らの日常を撮影させる。雨宮は、一水会の集会、維新赤誠塾のライブ、 北朝鮮訪問といった生活の中で、時に土屋、伊藤らと意見を交わしながらビデオカメ ラに向かって自らを語っていく。やがて3人はビデオカメラと共に変化し、自律に向 かって歩き出す。 国家と個人、依存と自律の問題を真摯に、そしてユーモラスに描いた本作は、日常 を生きる私達に送られたビデオレターである。もっと詳細
山形国際ドキュメンタリー映画祭、ベルリン国際映画祭、香港国際映画祭、シンガポール国際映画祭、”It’s All True”国際ドキュメンタリー映画祭(ブラジル)/全州国際映画祭(韓国)、ポップコーン映画祭(スウェーデン)、アジアドキュメンタリー映画祭(インドネシア)、台北金馬映画祭(台湾)、ウィーン国際映画祭(オーストリア)など数々の賞を受賞した土屋豊監督作品