ロングバケーション in BK

大陸を超えて自己と属する場所を探し続ける台湾人パンクロック女性映像作家の映像日記。日本の敗戦後、蒋介石と国民軍がやってきて台湾の資源と文化を奪った史実をもう一つの植民と捉え、台湾の政治、戒厳令、独立、先住民運動などに思いを馳せる。渦巻く音と映像とテクストに見え隠れするのは、自分が育った「幽霊島」台湾の歴史への思いと中国人の友人たちとの微妙な確執、国民軍の高位軍人を祖父に持つ自らのアイデンティティ、罪悪感、そして孤独...。 監督:ドール・チャオ。2018年、26分、HDカラー(素材は8ミリ16ミリビデオなど)、台湾/アメリカ。実験映画。音声:北京語&英語、字幕:英語&北京語&日本語、日本初上映。 [Read more...]

牛を育てる方が楽

人里離れた村に生きる仲間はずれのティーンエイジャーの女の子2人が育む奇妙な友情。友人の暗い秘密を知った時、その子の暴力性、魔性、そして愛着の気持ちも見えてくる。ヴェネツィア国際映画祭、ミラノ映画祭、シンガポール国際映画祭などでコンペティション上映、その他全世界で絶賛上映。 監督:アマンダ・ネル・ユー。プロデューサー:ガン・フイ・イー(アストロ・ショウ)。2017年、17.5分、HDカラー、4:3。マレーシア。ドラマ。音声:マレーシア語、字幕:英語&日本語字幕付。日本初上映。 上映日/時間 東京:7月29日(日) 12:30~ (短編特集) 岡山:8月3日(金) 14:00~ / 8月5日(日)19:00~ [Read more...]

サウンドマンの死

(この作品は、岡山会場のみで上映。)映画の中の音を観客が気にも留めないように、いつも無視される人民がいる。2人の録音技術者がある短編映画プロジェクトの音デザインの仕上げをしている。彼らの作る音は、誰かの耳に届くのだろうか。ヴェニス映画祭で世界プレミア上映の後、ロッテルダム国際映画祭、釜山国際映画祭などで上映、バリャドリッド国際映画祭(スペイン)ミーティングポイント部門で奨励賞受賞。 監督:ソラヨス・プラパペン。2017年、16分、HDカラー、タイ。ドラマ。音声:タイ語、字幕:英語&日本語。日本初上映! 上映日/時間 岡山:8月3日(金) 14:00~ / 8月5日(日)19:00~ (短編特集) [Read more...]

EGO

(この作品は東京会場のみの上映。) 「自我」(エゴ)には全ての欲望と恐れが顕れるとされます。この映画は、一人の男と女の関係を描いています。でも実はそれは幻影で、想像で、夢のように心に顕れるものです。人間はエゴでできているので、何も真実なものはありません。 カザフスタンの才能あふれる新進女流映像作家のシュールな映画の世界。日本初上映! 監督:シャリパ・ウラズバイェヴァ、2014年、14分、HD720 カラー、カザフスタン。ドラマ。会話なし。 上映日時 東京: 7月29日(日)12:30~ (短編特集) シャリパ・ウラズバイェヴァ 1985年生まれ。カザック国立芸術大学(the Kazakh National Academy of Arts)の映画/テレビ制作学部を T.Zhurgenova の名誉を得て卒業 (2010)。2013年にはZhurgenov [Read more...]

優雅なインドの国々

『優雅なインドの国々』(原題:Les Indes Galantes /The amorous indies)は「フランス王室作曲家」として公族貴族に好まれたフィリップ・ラモーが1735年に作曲したオペラーバレエ。ここの「インド」はヨーロッパ以外の異国の民、異教徒、原住民の意。彼が1725年にパリで見た米国イリノイ州のミチガメア(Michigamea)族の酋長による民族ダンスに刺激されて作った曲で、それをもとに第4部『未開人たち Les [Read more...]

キンキジュの種

メキシコのある刑務所で暮らす女性囚人たちは、色々な地域から集められており、80%近くが文盲。多くが貧しい先住民コミュニティ出身で話す言語が違うため、刑務所内で意思の疎通ができない。刑務所内の社会復帰プログラムで共通語であるスペイン語の読み書きを初めて習った女性たちは、出獄後も手紙の交換を続けたり、詩を書いている。刑務所に来て初めて文字を習い、それを使って自分が社会からはじき出された過去の記憶や自分の気持ちを言葉で表現できるようになった女性たち。彼らの友情や連帯を描いた作品。 監督、撮影、編集、音声:カロリーナ・コラル・パレデス(Carolina Corral Paredes)。2016年、17分、HD カラー、メキシコ。ドキュメンタリー。音声:スペイン語、字幕:英語&日本語、日本初上映。 上映日/時間 東京:7月29日(日) 12:30~ (短編特集) 岡山:8月3日(金) [Read more...]

ハンスー・ソロ

ハンスー・シイララは2006年に2回の大きな脳卒中を経験、左半身不随に。現在彼女は、カナダのバンクーバーの介護施設で暮らしている。ハンスーとの電話の会話と抽象的なアニメーション映像を掛け合わせた本作品『ハンスー・ソロ』は、ハンスーの施設での日常と彼女が時間を過ごす上で思っていることを描いた親密なポートレイト。 違う分野で働く2人のクリエイターが、それぞれのこだわり技術と誰でもが考える大きな疑問を掛け合わせたのがこの作品。エミリーの伝統的アニメーション技法と、カヤの編集とサウンドデザイン技術を合わせて、カヤと彼女のおばさんであるハンスーが話す電話の会話に視覚的要素で反応してみた。ハンスー独特の言葉の抑揚リズムに合わせるように、映像は現実と抽象の間を行き来する。ハンスーのユーモアと思慮深い知性が映し出され、また彼女の生きることへの好奇心に感染しそうになる。 [Read more...]